小屋/草野大悟2
事をもうずいぶん長くやってきているから、中川さんの文句に付き合って、僕のやり方を変えるつもりは更々ない。
給料は、社長の叔母さんに当たる松本さんという丸々と太った人から貰う。
僕がここに来る前は、この人が社長で、ホワイトメトログループから実質的にこの小屋の運営を任されていたらしい。しかし、何かもめごとがあって中川さんに後を譲り、中川さんは大金を払ってグループから独立したそうだ。ここにもう三十年以上働いている清田さんがそういっていた。何があったか、などとは訊ねなかった。僕は、他人のことにはほとんど興味がない。
ここで働くみんなは、それぞれが、小屋のひとつひとつの細胞のように
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)