小屋/草野大悟2
て! 早く!。全部死んでる。ウサギ、全部死んでる!」
翌朝、佐藤陽子からの電話でたたき起こされた僕は、自転車をとばして学校に急いだ。
「ウサギ小屋」に着くと、そこには青い顔した体操服姿の彼女と、生物クラブ担当の先生と生物クラブの生徒たちがいた。
「新体操部の朝練で体育館に来て、ちょっとウサギを見ようと思ってここに来たら、ウサギが、ウサギが……」
小屋の中に入った。
ウサギたちが死んでいた。
腹を食いちぎられたり、頭がなかったり、足だけが残されていたり、白い毛が血に染まっていた。一番大きかったウサギの生首が、小屋の天井の金網に引っかかってゆらゆら揺れていた。
「シロ、シロ〜
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