ぶっつけ未詩 3/Giton
 
のかは分からない
彼女の崇拝者は数多かった
マスメディアと捜査当局によって、残忍な殺戮者の烙印を押されたあとも
崇拝者はたえなかった
彼女は崇拝者が来ると、にこにこと笑みながら
どこまでやる気があるか分からないねと、あとで私に言った
どうして、崇拝者でさえない私などが選ばれたのか‥、分からない
しかし想像できなくはない
彼女ははじめて見たのだろう、情欲のない男の目が向けられるのを。
私は同性愛者だから‥

それから彼女の親族は、定期的に私を面会させるようになった
私を連れてゆくと、しばらく彼女の様子が良くなるのだと言った
私は医師でも僧侶でもなかったが、たしかにそういう目
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