石が流れて木の葉が沈む/涙(ルイ)
れるし
殊勝に振る舞えば 今度は何か裏があるんじゃないかと
あらぬ疑いをかけられる
そりゃ 念仏のひとつも唱えたくなるのも
うなずける話だと私は思うわ
あばたもえくぼ 恋は盲目
たとえ付き合いだした途端に仕事を辞めてしまっても
息が詰まるほど束縛するようになっても
顔が変形するほど 肋骨にヒビが入るほど暴力をふるわれても
それさえも愛情表現であると
そのすべてを愛することができれば
きっと彼も変わってくれるはずと 最初から信じて疑うことを知らない
あばたは所詮あばたでしかない
身も心もズタズタに切り裂かれて
ボロ雑巾みたいに疲れ果ててようやく
ようやくその正体
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