愛を乞うひと/涙(ルイ)
黒いゴミ袋にこっそり押し込んで
燃えないゴミの日に棄ててしまったのです
何も感じなければ 傷つくことも痛むこともない
それでも 生きるのが苦しいことに変わりはありませんでした
毎日毎日 死ぬことばかり考えていました
薬で死ぬか 首を括るか ビルから飛び降りるか
そんなことばかりで頭の中はいっぱいでした
朝がくるたび憂鬱でした
消えてしまえばいいこんな自分なんか
投げ捨てるようにつぶやいたまさにそのとき
棄てたはずの涙が頬にこぼれ落ちました
あとから
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