愛を乞うひと/涙(ルイ)
からあとからとめどもなく溢れて止まりませんでした
わたしはそのときはじめて その涙のあたたかいことを知りました
棄てたと思っていた感情が まだこうしてわたしの中に残っていた
わたしは生きてる 生きているのだと
生まれてはじめて 実感できた瞬間でした
だからもう 無駄に自分を痛めつけたり
無理やり感情を押さえ込んだり
そういうの 一切やめることにしたのです
喉がカラカラで何もしゃべれない?
だったらほら そこに蛇口があるわ
その水で渇いた喉をうんと潤すがいい
あるいはそこの自動販売機で ジュースでも買って飲んだらいい
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