愛を乞うひと/涙(ルイ)
 



     それでもいつか 解ってくれる日がくるんじゃないか
     ちゃんと向き合って話せるときがくるんじゃないかと
     淡い期待を抱いたこともありました
     けど 返ってくるのはいつも凍りつくような冷たい視線と
     切り裂くように鋭く尖った 心ない言葉
     理由などなにもない ただ気を晴らしたいがための理不尽なほどの暴力
     それだけでした
     いつのころからかわたしは 暗い目をした
     なんの表情もない子供になっていました
     笑っても泣いても 怒っても
     どうせ何の役にも立たないのだからと
 
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