宮澤賢治に寄せて/嘉村奈緒
聞こえる音を本当に素直に書いているのだと思う。雨ひとつの音を考えて聞いちゃっている自分と違う気がする。ひとり、自分の概念とまったく違う音の捉え方をする書き方をする人がいて、その人を思い出したりしてました。もっと世界に素直に生きていきたいな。
【序】(抜粋)
わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち、その電燈は失はれ)
縦書きじゃなくて申し訳ないけど…
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