宮澤賢治に寄せて/嘉村奈緒
 
る感じがする。

【山巡査】(抜粋)

栗の木ばやしの青いくらがりに
しぶきや雨にびしやびしや洗はれてゐる
その長いものは一体舟か
それともそりか
あんまりロシヤふうだよ

 もう、何が山巡査なのかさっぱりなのですが!ここにも「あんまり」出てきますね。「あんまりロシヤふうだよ」って言われただけで死んでもいいって思いますよね!あんまりロシヤふうって。凄すぎてドキドキしますよ。何よもうそれ!みたいなね。アレですよね。

 賢治は擬音とか会話とかがすごくたまらないと思う。音がね、いいの。読んでても一行一行がさくさくと歯切れもいいし、楽しい。音も大事だな…。リズムも。聞こ
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