小説家と器〜ホーリーナイト〜/王
さ
12月はこういうふうにやってきて、
ほとんどの取るに足らない痛みと同じで、知らぬ間にいってしまうのだけど
夜明け間近
鳥達が闇から開放され、お日様が上がるべき空へむかって飛び立ち、
小さな死の器の寝息が穏やかな白い調べとなって
僕の完全な安らぎになるだろう
ホーリーナイト
12月のハンモックの話を、僕は知りたいと強く思ったけど
それはまだ知らなくていい話なのかもしれないので、
僕も彼の横を通り過ぎなければいけない
小説家はいつもそれを抱いて去っていく、現われた時と同じように
書かれなかったことにだけ、祝福があるのだという
大丈夫、目覚めなくてもよい朝が君に
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