小説家と器〜ホーリーナイト〜/王
君にも僕にもいつかくる
聴き逃したり隠蔽されたものも号砲もしくはシンフォニィで曝される
ただ安らかを願えば
神はいつも君たちの中にあり、そして僕の中にある
それ以上でもそれ以下でもない、それだけは断言できる
器が横に有る限り
僕らは生きるべき理由をにぎりしめている
僕らに生きるべき理由を与え続けるのだ
死の器からはこんこんと透明が溢れ、まばゆい光は本物だ
罪や穢れなど最初からなかった、だから何も憎んだり恥じたりすることはない
安息はすぐそばにあり、僕の隣でも眠っている
やがて僕にも君にもお伽話の意味がわかるだろう
書き終えてペンを置き、息をついて曇りがちな窓から星をみるだろう
ホーリーナイト
全てこの夜に起こったことは、たった一つの事象
祈りを越えた祈りだ
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