繋がる赤い糸/ハァモニィベル
 
葉は、香りながら錆びた。
  曙に丹心の茜、
  白橡に昇る 復讐の'あさひ'
  石竹をみよ紅梅をみよみよ蘇芳


    *
彼女の秀麗な眉がキッとつりあがった。その瞬間、「白橡」の読み方が解らずに苛立っているな、きっと。そんなデュパンの推理が過ったが、(しろつるばみ)だよと教える前に、もう、飽きてしまったのか、彼女の画面は、すでに『メビウスリング四月の読書会』のページへと移っていた。

    *
そこでは、〈赤〉をテーマにした詩についての創作や読解が行われていた。さっきの暗号文が、すべて〈日本の伝統の赤色〉で配されていることに気づき、ミステリの謎を解くかも知れないと、フ
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