クリーチャーズ/末下りょう
 
笑い
信号は赤く点滅、
いまごろ彼はホテルの部屋で
ウツラウツラと糞尿で濁る
便器の水面に浮かぶ
金魚の白い腹を
見てるの
きっと
忘れられた
狭い遊歩道から
TAXIに、手
手を触れることなく
炭酸の弱まった
シャンパンを収めた
細長くよく磨かれた
グラスに歪んで
写る、壁に掛かる
海岸の風景画の中、水着姿で
ビーチに寝そべる
男はその青い海の彼方に
居るはずのやつれた男が
(チープな現実の提立を無視して
、実生活に大胆な括弧を施し、
超然として中和の空気を吸いながら、
無目的な又は無関心な自律的遊戯をしている)
ポーズを想像する風景画を
ぼん
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