アイソポスの忘れ物/ハァモニィベル
 
ると、家まで送ってやろう、と力強く歩き出す
涙し感謝した人間は、道みち、サティロスと友情が芽生え、愉しい会話が弾む
お互いの世界があまりに違っていて、話すこと全てが驚きの連続だった。
途中、人間が凍える両手に、息を吐きかける姿を珍しがったサティロスが訊く
それは何をしているのか?
    ―熱い息を吐きかけて手を温めているんだ(―そうか人間とは便利なものだ)
家に近づいた。人間はサティロスと別れがたく、どうか家で食事をしていってください、と乞うた。
友情を感じたサティロスもまた、人間の招きに喜んで応じた。
冷えた身体が芯まであたたまりそうな美味そうなスープが出された。
そのとき、
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