二十歳(はたち)のエチュード/草野大悟2
 
気持ちを託して
いっしょに飲み込んでしまったのです。

ギターをつまびきながら
歌ったあの歌は 海の歌
青く澄んだ二人の海の歌

兄ちゃんの先輩の尾形さん
住吉に住む生粋の宮崎人
40分もかかって自転車で通って来るという人
九大の大学院に落ちたという人
兄ちゃんが いちばん甘えているという人
はずかしそうな伏し目がちの彼も
気のいい素朴な感じのする人でした。
宮崎の太陽が好きな人でしょう。

あの時
「おさとう いくつ入れましょうか」
と言えば良かったのです。
つっけんどんな美知子
もっと もっと
女らしくなりたい
美知子

<Mateにて>
`カ
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