悪夢/……とある蛙
その破片欠片一つ一つに反吐を吐く
反吐を吐きながらこう宣う
お前の姿見もそのうち割れるだろうよ
等と言いながら
俺に薄笑いを見せるのだった。
また、また、突然のファンファーレ
今度は随分近くで鳴っている。
ドーン っと
足元にぱっくりと開いた大きな孔
覗き込んでも真っ暗で
その孔の脇で黒猫が
孔を覗き込んで呟いた
随分大きな暗黒だ
底など見えないが底が浅い
手の届く底だ
しかし、真っ暗闇で底が見えない
それがお前の結末だ
分かっていながら覗き込む
お前の心の結末だ
等と言いながら
俺に薄ら笑いを見せるのだった。
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