そして繊細の雨/ねことら
やにもどろう。いきをしつづけるにはじゅうぶんな酸素がたりないから。
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ちきゅうぎ。わたしの愛着のひとつ。きみがショウウィンドウから離れないわたしに買ってくれたもの。カッターナイフで切れ目を入れて、はんぶんにわっていく。すこしずつ、すこしずつ。なにかまいにちの飛距離をきざんでいる気がする。しんぞうがちくちく痛んで、あんしんする。これもわたしのぎりぎりの範囲。
すこし、きぶんがいいときはベランダに出てじょうろでハーブに水をあげる。つちにさわると、つめたいとおもう。つちは、つめたい。鼻によせると、じゃりじゃりと、つちのにおいがしてる。かぜが青い。すごく硬くて、なにかはがして、
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