彼女たちの事情 〜愛しすぎる女たちのうたう詩〜/涙(ルイ)
ことなんてないくせに
買い物依存症のかずみは いつもイライラしていて
ブランドものに囲まれていないと安心できずにいる
プラダやエルメスに埋もれながら
膨れ上がる借金返済のため 夜のバイトを始めようかと検討中
思えば子供のころから ぐっすり眠れたためしなんてなかったわ
家の中はいつもごたごたしていたし
いろんなものが壊れていく音が聞こえていたから
我慢して眠りなさいと 母はそれ以上係わりたくないといった感じだったし
仕方がないから無理矢理目を瞑ったけど 眠れるわけなんかなかった
暗い天井をずっと
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