あの街へかえろう/梅昆布茶
 
ちょっと薄汚れて古い街だが愛着もある
あの街へかえろう

鑑別所から卓也もかえってきたし
住むところとこれからの仕事をなんとかしないとならない

さんざん迷惑をかけたその当事者が俺だなんて
気もつかずに他人事のようにきいていたさ

馬鹿が百年たって治るものなら
それまで長生きしようとも思ったぐらいだ

いきがって世の中が渡れるならそれもいいだろう

たぶん俺はえらばない
だってもうちょっとは利口になれたらいいと思っているんだ

ひとと渡り合おうとかはもうおもわないし
ひとを傷つけるのもいやだ

美辞麗句なんてはじめからいらないさ
俺のあたまでわかる一言がほ
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