最終電車/チャオ
 
電車に乗り込む。何時間たち仕事をしても、最終電車に乗り込めば、座るスペースなど、僕に準備されていることもない。僕はつり革につかまったままうとつとする。
そして、次の駅へ電車がつく頃、僕は、見に覚えのない圧迫感を覚えることもある。

目が、開けれない。足がおぼつかない。

傾向とは昨日も、今日も、同じように電車の中を照らしている。この世には、夜はない。暗闇が世界を覆っても、蛍光灯はその闇を切り裂く。僕の上にともされた光は、何億光年先へと届かずとも、その光が切り裂いた夜は、僕の周辺で異形を成す。

「ああ、またこれだ」

僕のしたには、道が広がる。たどり着く場所は決まっている。僕の部
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