「宇宙」ト呼ばれるものの真実はどこにも無いと思いたい/創輝
やら それはとてつもなく悲しいらしいこと
思うままに筆を滑らせ
僕は少女を描く 何枚も 何回も
染みが飛び跳ねて
少女の頬に 黒い涙が伝った
一心不乱に 宇宙を描く 亜麻色の髪の少女
理解し得ないことを 分かった気になるために文字を連ねる
それは 傲慢だろうか
果てることの無い 分からないことへの恐怖と それを打ち砕く傲慢
君がその白い頬を濡らすたび
僕は その儚さに嘆きを呟く
無知という 世界中が共通したものを持っているというのに
僕らは皆 滑稽なことに それを必死に隠しているらしい
僕らが互いに知っているのは一つだけ
何も
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