ある雨の憧憬/涙(ルイ)
 
なっちゃうなんて
あんまりじゃないか
まさか 本当に死んでしまうなんて
冗談だろ 嘘なんだよな
死んだなんていつもの悪ふざけなんだろ
どこか そこらへんに隠れていて
僕を驚かすつもりでいるんだろ
ねえ なあ ねえ ねえってば

本当にもう 君はいないの
僕の前から姿を消してしまったの
飛降りる瞬間 怖くはなかった?
何を思っていたの?
何を思い出していたの?
最後に僕のこと 少しは思い出してくれたの?
死にたいほど辛かったの?
君の上に振り続いてた雨粒は
君をやさしく抱きしめてくれたのかな
雨の日にはいいことがあるのよって
いつか君は云ったよね
自ら死を選ぶ
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