つるはしと亀おんな/アラガイs
 
ってきて土工をしてるやらと、彼を知る者なら誰も彼もがいい加減なことを口にしていたが、不思議と女のことを口に出す者は少なかった。
二人はその後すぐに別れて女は20を過ぎると外人と結婚した。どうして子連れ結婚だったのかは不明だが、いまでは海外でしあわせに暮らしているという。そう基地の便りを乗せて同級生の女たちには伝わっていた。
それだけ男たちにはショッキングな事件だったのだろう。
この町にとってヤッさんは稀有で目立つ存在には違いなかった。
それが数年前にはどうやら死んだらしいとの情報が故郷ではあたりまえになっていた。
派手な暮らしが祟り、借金から逃げるように身を隠した何処かの街で、作業中事故
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