一服まで/ヒヤシンス
私は蛙たちの見えない視線を気にした。全ての音は消え、無になり、あらゆる視線が私に注がれた。それは先ほど跳ね返ってきた何よりも私にとっては大いなる恐怖だった。
無の中の視線。無表情。無感情。
私はパニックに陥った。胸の疼きが最高潮に達し、呼吸すらままならない。
私は気を失いそうになりながら川面に引き寄せられていく。
私の思考はもがく、必死に。
しかし足は川にどんどん近づいてゆく。
気が付くと川面は眼前に迫っていた。四肢は蜘蛛の巣に絡まったように動かない。
落ちる、・・・。
どのくらい経ったのだろう。目がぼやけている。川に沈んだのか。
そうではなかった。背中に布団の感
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