五月病/村正
 



記憶に残らない

こだわりもない


見ぬ振りが板に付いて

かわせきれていた筈の

止める頃合い

自分の采配


遊泳にくたびれたなら

あてがえば直ぐにでも

どこにでもある

まな板の相方


誰も咎めない

ありふれたこと

動かなくなるのは

鰓のない魚だから



投げるまえの景色

鉄のイメージ

動物的本能

溺れて色めく灰色

三分で来る明日

破れたカレンダー



保留されうる采配

迫ってきた当たり前に

夜が収束していく気がして

熱を失って

それで
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