いまごろに/ドクダミ五十号
 
 
 家のともしび

 明々と

 営み知らす

 陽も落ちて

 杖も悲しや

 コツコツと

 骨の芯まで

 響くのは


 路傍の菫

 葉は蒼く

 哀れあはわれ

 重ねて嘆く暇も無く

 握りに力

 込めるなり


 小路たどるは

 隧道の

 アーチらしくも覆う枝

 名も無き草の

 花も咲け

 膝折る我を喜ばせ


 ま直ぐな路地の

 その先に

 僅かな青を支えたる

 山よかすみもせずある事の

 なんと嬉しくたくましく


 ツツジ花咲け

 競うよに
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