世界からわたしが消えたら/伊織
 
を母の実家に返済してもらっている関係で何も言わずに別室へ逃げていくのだった

学校に行けば行ったで
担任は自分の娘よりも成績のいい私に嫉妬して
 勉強だけ出来ればいいってもんじゃありません
 アナタは鈍感過ぎる
 人の心を土足で踏みにじる
 何故アナタに友達ができないのか
 せいぜい胸に手を当てて考えなさい
そうクラス全員の前で繰り返し
私は学校公認のイジメの標的となった

担任の言葉を真に受けた母は
娘と呼ばれる存在が出来損ないであることをますます確信した
居場所がなくなってしまったので
海の中へと逃げた
しかし捕まえられてしまった
母は言った
 死ねないくせ
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