ノートとじる猿/ともちゃん9さい
るのかわからない
階段の踊り場で頭ぶつけて
少し戻った意識の窓に空が青かった
季節がわからない
家族は朝ごはんを食べた
まだ砂場かもしれない
夜に網かかる子どもたちのための
砂場なのかもしれない
数時間で100万円使ったり
バイトの人に露骨に無視されはじめたり
友だちのしゃべる速度がおそすぎたり
ノートパソコンの液晶こわれてたり
やさしくしてくれるのは意外な人ばかり
家族も恋人も友だちも思い出の私が本当の私だってこわくて泣いているから電話できない
ひくい声の子どもと手をつないでお手洗いにいく
「シロツメクサありがとう」
「アカツメクサあまいんだよ」
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