ノートとじる猿/ともちゃん9さい
 


10年前のノートとじる
押し花つくる
子どもにあげたい

さわれないものばかり好きだ
息をするだけで腕ぶんぶんふりまわしてるみたいで
あいてるドアから失礼しますよ

このままでいたかった
すごいいたかった
あちこちいたかった
泣いていた
時計が動かなくても
バイトが動いてしまう
テレビがはじまってしまう
友だちの窓の朝が見たい
違いにはっとして
きっと
今までの意味がわかってしまう
泣いてしまいたい

夕暮れが地面にすこしずつすこしずつとける日をみた
写真にとれなかった
終わる季節と終わってた恋を
ゆっくりあたためたミルクに溶かして牛をわす
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