父/永乃ゆち
あった。
祖母はそれを父に渡したらしい。
祖母から送られた手紙にそう書いてあったらしく
母は「そんなつもりで送ったんじゃない」と怒りをあらわにしていた。
私は、そこで嫌悪と気味の悪さを感じた。
私の知らない人間が私の写真を持っている。
それだけで気味が悪かった。
二度と送らないでくれと母に言い
祖母と連絡を取るのも止めてくれと言った。
私にとったら、祖母も父も赤の他人だ。
いくら顔が似ていようが、私に父はいない。
母が祖母からの電話も手紙も無視し出してから数か月が経って
今度は私宛に一通の手紙が届いた。
祖母からだった。
中には写真が一枚
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