すごいスピードの鳥/よしたか
 


雨の一粒一粒が誰かの愛なんだってイメージできたら
一身に浴びる人は拍子抜けするくらい幸せなんだろう

すごいスピードで飛んだ鳥!
かれにとって街は一瞬通りすぎた愚痴みたいなものか
すごいスピードの鳥っていないことなのか
寂しいことか 愉しいことか
子どもの手で固められた雲が西の空に流れていく

どこかのアダムたちが神様にプロポーズ
巨大で豪華な花束を宇宙に飛ばした
それは重力という考え方にひっぱられて落ちていった
もちろん花柄の震えが起こり
いくつものかけがえない水から波が生まれ
語りつくせないただひとつの壁は現れた
壁に弾きかえされた飛沫を浴びると
持って
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