亀のいちばん長い日/夏美かをる
 
そわそわ時間を過ごしていると
正午過ぎに担任の先生からメールが届いた
なんでも亀はいたたまれなくて
DVDを上映している間は
応援に来てくれた支援の先生と一緒に
廊下に出て耳を塞いでいたそうだ
上映後に先生が
「頑張った亀ちゃんにお褒めの言葉を伝えたい人はいる?」
と訊いたら、何人かが手を挙げてくれて、
そのうちの四人の子が代わる代わる廊下に出て来ては
亀に言葉を掛けてくれたという
最後に先生も出て来て 亀の手を握りながら
「亀ちゃん、とっても上手に読めてたよ。
みんな亀ちゃんの発表に感心してたよ。
勿論笑った子なんて一人もいなかったよ」
と言ったら、
亀はすぅ〜と
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