家のこと/はるな
に途方に暮れてしまった。父も母もああして生まれてきて、わたしを作りやがった。それでいて、先に死んでしまうのは勝手だなあ。それにしても、わたしの肌は、この二日目のひとたちと比べればなんとも中途半端なふるびかたをして、父や母のようにまだ体になじんでいるというかんじがしない。ただしそれは年齢的なものではたぶんなくて、なぜなら夫の体はいつみてもぴったりと中身と寄り添っているから。夫のからだはどこをとっても夫以外のなにものでもないし、それは単純に素晴らしいことだ。その気持ちで自分の皮膚を見下ろせばみじめ。
愛はいつもあるべきところにあるようにあるのに、わたしにはときどきわからない。たしかめようとして、
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