家のこと/はるな
て、たしかめ方がわかるはずもない。わたしはそれがあるべきところにあるようにあるのだということを知っている。知っていながら、わからない。だから自分が悪いのだ、と思うことでしか逃げられない。それは正しいやり方ではないにしろ、だからといってもっと良い策があるとも思えない。わたしはこわいのだ。あるべきところにあるようにあるはずの愛が、それがわたしのものではないと思うのがこわい。わたしはわたしの思っているようにだけ、物事を思いたいのだ。それは恥ずべき幼さなので、箱へしまって家へおいているけれど、だれでも、みんな、家へは帰らなければならない。
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