ゆうこちゃんへ/平瀬たかのり
 

  「うーん なんでやろうねえ」
  「仕事めっちゃキツイやん」
  「うーん キツイよねぇ この前時給で計算したら四百円ちょっとやった 
   ははは」
  「えーっ、えぐぅー わたしらよりずっと安いやんそれって」
  「うん えぐいよねえ ははは」
  「笑いごとやないってぇー」
  「ははは」

  「ありがとう、助かりました」
  「いぃえぇ じゃあバイバーイ」
  「うん バイバイ」
 

 ゆうこちゃん
 ぼくはあのころ
 毎日怒鳴られていて
 いつも魚臭くて
 霜焼けは日ごとにひどくなっていって
 足の裏にはウオノメまでできてしまって
 
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