ゆうこちゃんへ/平瀬たかのり
 

 やがて手術のヘルニア腰はじくじく痛み続けてて
 教習所は第二段階に進めなくって
 「もう電話かけてこないで」って言われたばかりで
 だからぼくは
 君のミラが遠ざかっていくのを見ながら
 高槻の市役所前で、ひとり
 泣いたんだ
 
 ゆうこちゃん
 ぼくはこうして
 もう二十年近く前に出会った
 あなたのことを書いてみました
 苗字も忘れてしまっているし
 お名前、どんな字を書いたのか
 訊いておけばよかったのかなあ

 ねえ、ゆうこちゃん 

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