カチコチ/赤青黄
リビングに到着した
「お兄ちゃん、さっきから何暴れまわってんの?もうご飯だよ」
あれ?
僕は一瞬なんのことか分からなくなって
あたりを見回した
全てが何もかも
元通りになっていた
水はどこにもなく
あのおぞましい
の一言で片付けられる世界は
もうどこにも無かった
僕は包丁を放り出して
妹の待つソファーに腰掛けた
腋を見れば、家族みんながテーブルに座り、もくもくとご飯を食べている
そうか
いつもどおり
妹だけ早く食べ終わり
他の皆は
まだご飯食べてるのだ、と
「早く食べないと、ご飯さめちゃうよ」
「ああ、うん」
僕はい
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