応答せよ、応答せよ/すみたに
 
で、歩きまわって拾い上げた破片、眩しく日光を反射する銀の板、久し振りに鏡をみると今日はどうしてこんなに剃刀が鋭いのか、と思う――あの日手渡された最後の一枚、それは紙幣ではなかった。くすんで映される私の顔、歪曲して蒼白い、どうせ鮮血なんて出ないだろう。ハハハ、ハハハ、ハハ、笑い転げて、銃声一つ、傀儡のように斃れた男。

刃先を握りしめても、生臭いシンクに一枚一枚、散ったポインセチアが重なるだけ。唇がきれいに裂けた、顎先がとても温かい。きっとまだ死んだばかりだから、肩を揺すって呼びかける、名前を、大声で名前を、そして壁に打ちつける頭。銃弾一つ縁がなく、休み一つ与えられず、何が与えられた? 果たして
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