応答せよ、応答せよ/すみたに
 
れは確信に満ちていたが――上空を黒雲のような軍機が飛んで一つ、また一つ、下りて来た、太古の化石たちが血肉を吸いに、蘇るがため、背後より俊敏に噛みついて、喰らい尽くす。そしてはちきれた雷光があちこちで炸裂する。瞬間にして骨組みばかりの街で、微かな力は全て燃やされた。

雑音――タタ、タタ――雑音が已まない――ギィ、ギィ――軋んでいる放送
どうにか逃げ込んだ、崩れかけのアパートに掘られた地下室、煉瓦の隙間から漏れる赤茶色の地下水、錆び付いた椅子が座るものを待っている、傍らにおかれたコーラは、今や懐かしの味、無数の気泡は硝子にへばりついて、離れていこうとしない。

風と擦れ違う燃え尽きた街で、
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