鍵のない部屋/かんな
。
着ていたカーデを脱ぐ。
その下に着ていたカットソーを脱ぐとキャミソール姿になった。
その後ろで
ちら、ときみが視線をこちらに向けたのを確認した。
洗濯機の脱水の音が室内に響き渡るとしばらくして
ピーピーと停止音がした。
以前より少し肉厚になった尻にフィットしていたジーンズを脱いだ。
ちらり。ショーツとブラの上にキャミソーツを着た
だけのわたしの姿が鏡に映って。いるのをきみが見ていた。
イスからこちらに歩を進めながら
わたしの表情をうかがう。どうしたの。という風な疑問符を描く。
どうもしないよ。とあっけらかん。
着替えてそろそろ出掛けようかと言うと。
そういえば鍵がな
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