昼下がりの砂漠/wako
 
  押し寄せる

   砂に埋もれた故城が
   はるか昔の栄華の残骸をさらす
   ざわめきが聞こえてきそうな
      物売りの声が
      家畜の鳴き声が
      兵士の怒声が
   あふれる色彩に襲われそうな
      日々の生活の
      祝いの宴の
      収穫の祭りの
   引き込まれて彷徨いそうな
      市場を
      路地裏を
      広場を
   幻が脳裏にゆらぐ
      川を船が行き交っていた頃の
      小麦の葉がそよいでいた頃の
      湖に魚が群れていた頃の

   ラクダの白骨をた
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