昼下がりの砂漠/wako
 
をたどって行き着く古代の街
   砂の中の楼蘭

遠くで乾いた音が

動物の骨が風に転がされたのか
書架にバッグの留金が当たったのか
耳を澄ますが
空調の低い音が聞こえるばかり

時間つぶしで
遊びで入り込むには不謹慎な気がして
図書館の椅子で姿勢を正す
写真集を前に

大窓の外の銀杏の木で
わずかに残った葉が揺れて
落ち葉を踏みながら
人々が足早に歩いていく

冬の昼下がりに      

戻る   Point(4)