追慕とサルベージ/村正
 
りの言葉を君にはなつ

嘘くさい自分がいやで

本当にふさわしかった

言葉はみつからなかった

決まって頬にふれた

本気で言えていた日も

眠りについたあとの話だった

他に言うべきことがあっただろう





俺の信条は欺瞞だった

たいていの悪がいやで

たくさん君にも押し付けた

受け入れてくれていた

それに甘えきっていた

自分の中にあるものは

すべて見える気がしてた

俺の信条は、欺瞞だった





善い人になりたくて

正しい自分を繕った

困った人は助けたかった

俺はどこにいた
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