追慕とサルベージ/村正
りの言葉を君にはなつ
嘘くさい自分がいやで
本当にふさわしかった
言葉はみつからなかった
決まって頬にふれた
本気で言えていた日も
眠りについたあとの話だった
他に言うべきことがあっただろう
*
俺の信条は欺瞞だった
たいていの悪がいやで
たくさん君にも押し付けた
受け入れてくれていた
それに甘えきっていた
自分の中にあるものは
すべて見える気がしてた
俺の信条は、欺瞞だった
*
善い人になりたくて
正しい自分を繕った
困った人は助けたかった
俺はどこにいた
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