幸せは眠っている/砂木
対に名前は変えない
背中には 人形をしょわせて貰い
ご飯をたべさせて貰い トイレにも連れて行って貰い
危ない場所にはいかないように
ありったけの心遣いをして貰ったのに
今でも覚えているのは だっこして貰って
我が家からの電話に ごにょごにょ言っている私
自分の名前を大声で叫んで このうちの子にはならないと
外で真赤な顔で 演説をしている私
やっと父母が迎えににきた時 母の実家の家族は
きっと ほっとした事だったろう ありがとうございました
私は 父母が迎えにきた時
実は その時の記憶がない
後から母に聞いた話では 玄関に父を見るなり
父の胸にしがみつき 家に
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