同時多発ツイート連詩【おいしい水を】 こひもともひこ・リミックス/こひもともひこ
陰で山羊を抱くようにやさしく彼女を抱いた。
空は女のしろいのどを始めて見た。
森の水がおんなののどを流れた。
あなたはわたしの家だと男。あなたを失えばわたしは家を失う。
あなたはわたしの幸せだと女。ふたりはなんどもなんどもくちにした。
言葉からあふれる。
朝から愚痴をこぼす電車。
冷房の汗をかくことがなくなっても渇きを抱える乗客。
箱の中で自分を失くした人々がただ運ばれることだけを自覚し、早く人間に戻りたいと願っている。
駅からオフィスまでの間、
コーヒーショップやコンビニで飲み物を手に入れるまでには。
表面張力を検証し、
偽りの水を口にした。
降りしきる雨は黒
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