同時多発ツイート連詩【おいしい水を】 こひもともひこ・リミックス/こひもともひこ
 

食器棚からコップを一つ。
蛇口をひねる音。
あるいはポットのボタンを押す音。
あるいは冷蔵庫を開ける音。
パックを取り出して口をあけ傾ける音。
そそがれる音。
3秒。
飲む。
今日の始まりを。
その喉を潤すために いっぱいの水を。
冷たく通り過ぎて一本の柱となり それが垂らされて 淀みそして拡散し消えて行く。
僕の中でまた起きる変化を 涙の塩辛さがやわらいでいくのを ほんの少しだけ。
枯らした観葉植物はまだ窓のふちにぶらさがり 外は雨がまだ。
きのう一日、
いや、いつもそうだ。
ぼくはなんて片意地で、依怙地なんだろう。
それはきっと、こころが頑なで脆弱だからだろ
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