【批評祭参加作品】■シロン、の欠けラ(1)/川村 透
 
に数えられ」ることはなくても僕たちの毛皮は十分に高価なのかもしれない。目覚めている「彼ら」は僕たちのことを僕たちよりも熱心に「数えて」いるにちがいないのだ。さらにもっと、「裸に」ならなくてはならない。きらりん。

□『井戸』  アンテ
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=1106
 おとぎ話は、ほんとうは虚空を渡る木霊のようにただ、無機質な響きを繰り返すだけなのかもしれない。繰り返し繰り返す「構造」だけがここにはある。ぺらぺらの紙に書かれた「男」という文字と「村人」という文字にふっと息を吹きかけると、どうどう巡りの遍歴のカリカチュアをオルゴールの音と
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