くらげと牛と罪/無言電話
り戻せない事を知っているのです
あくまでも仮説ね
神なぞ居ないと泣く牛が合掌しています
満ち足りた顔はどういう訳でしょう
天国なぞ無いと笑った牛が罰を恐れています
怯えきった顔はどういう訳でしょう
反芻しているのは自分自身じゃないの
これは正解だな
罪は・・・どうしようも無いね
―くらげの囁き―
出来る事なら中身を見つけ出し
わたくしは海に帰りたいのです
罪の重みを抱え込み深く深く潜りたいのです
―牛の告白―
飲み込んだ呪いで胃が全部くっつきました
四つあるものが一つになる位なら
初めっから一つにしてほしか
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