Vampire./雅寛
君の背中に飾られた天使の羽を優しく千切る。
秒読み、熱い口吻が終わるまで数えてあげる。
気を失うまで口ずさむ狂った恋の詩。
目眩がして、倒れ込むその瞬間まで……愛してる。
「ねぇ、君を好きだから、今のままで居るけれど、本当に僕が……、君が望んだ事ってこんな事だったの?狂おしい程、夜も眠れない程、君が“好き”です。 それじゃ駄目なのかな?」
白昼夢の様な、下らない妄想。
愛し過ぎた君の顔を狂気が優しく歪めていく。
狂気と恋、少しずつ、僕が、狂っていくよ。
まだ、正常を演じていたいのに。
君の肩を、噛んでみたい。
赤く滲む白い肩を、舌で……。
悲鳴にも似た笑い声。
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