狂った僕と優しく眠る君/雅寛
 
語る現実感。
「ごめんね。」と問いかける。
歩き疲れて辿り着いた、
緑色の草原に。

優しい風が吹く。
風に舞う髪の香り。
僕が好きだったあの匂い。
君には二度と分からないけれど。

どんなに強く見せようとしても、
弱かった僕の最後のワガママ。
哀しいけど、涙は流せない。
君が居るから。

遠く、そして近くに居た君に、
少し頼りにしていた事もある。
でも、僕は悩むだけだった。
君に伝える勇気はなくて。

始まりは分からない。
でも、何時の間にか記憶の一つ一つが、
思い出に変わっていくんだ。
全てが終わってしまったのだから。

あの時、君を好きになっ
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